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●絶対可憐チルドレンの破滅エンド(※1)について
 この作品において、(事件事故など限られた情報量における)未来は予知能力によってかなり正確に予測可能だ。そして、高超度エスパーになれば「予知を公表したら人々の行動が変わって未来が異なってしまった」という予知のジレンマすら解消できるらしい。いや、「予知によって変化した未来」を予知できるのは高超度に限らないかもしれない。確率の問題ではないか、バベルの予知システムもそれなりに「予知によって変化した未来」を予知できるよに思われるし。
 ただ、この設定はどーしたって疑問が浮かぶ。「未来を予知するとは如何なるESPであるか」ってな点と、「未来を変えるとは如何なることであるか」ってことだ。この作品においてESPとは、念動と超感覚の変形・合成によって説明されるらしい。たしか作中かオマケか何かだと、予知は超感覚とされている。……本当にそうか? いや、一般論ではそーかもしれんが、全ての予知能力が超感覚だけであるとは限らないのではないか。
 思考を纏めてみよう。予知の外れ当たりを無視して流れを単純化して捉えれば、予知に「未来を予想したところ、結果として的中した」という主観事実があることは間違いない。でも、客観的事実としては予想する必要はないと思う。例えば「未来から情報を引き出す」とかなー。自分らはリアル常識を引きずって時空の壁を頑丈なもんだと予断してるわけだが、この作品内においては摩訶不思議な超物理法則が成り立っているわけで、思考の範囲は広げることが可能だろう。別の可能性としては、「実は予知が当たったパラレルワールドに移動してたんだよぉぉぉ(AAry」とも言える。
 もちろん、予知能力者に何らかの主観は存在する。予知の知覚イメージ・感情は必ず主観されているだろうさ。でも、澪たんは分身能力のメカニズムを全く意識せずに能力を使用していた。葵たんは皆本さまに言われるまで、テレポに付随した空間識だけで物体認識は余裕で可能だと特段意識してなかったように描写されてる。この作品においては、バックグラウンドに存在する演算・処理過程を、意識上で認識しないと能力が使えないなんてことはないのだ。つまり、自己申告は全く事実でなく、せーぜー参考資料くらいなもんだ。
 この「キャラの主観が客観的事実と一致してないかもしれない」って発想は、破滅エンドを考える上でのブレイクスルーにならないだろうか。例えば兵部さまが皆本さまに「普通人のお前は無力だから未来を変えられるはずがない」って発言がある。これを事実だと皆本さまも認めた上で、「でもバベルには沢山の超能力者がいる。皆の力で未来は変えられる。」と反論してるわけだが、それは置いておく。破滅エンドを知る人物は皆本・蕾見・兵部と伊九号くらいだったかな? 桐壺・柏木は知らないのだよね、多分。「十分な超度がないと予知は覆せない」ことを正として、さらに人物たちが自身の望む結末に向けて最適の選択を出来るとするならば、予知を知るのが蕾見と皆本だけで通常業務の比重が大きいバベルよりも、兵部の自由裁量が効くパンドラ側のほうが、超度を未来操作に向けて運用するって意味では確実に有利なのでは……ってあれ、単に組織力と構成の違いが作用力の差にあなってるだけじゃね?
 んと、予知に対しては自覚的に、十分に高い超度でもって対処しないといけないらしい。例えば、黒い幽霊による某大統領暗殺計画の際は、パンドラ側の護衛チームがあっさり全滅=失敗してしまってる。結果的に兵部が変わり身になって銃撃されたから暗殺は防がれてるものの、別に周囲のSPに化けても銃撃方向は特定できてたわけだ。単に兵部の茶目っ気によって標的の大統領が守られただけ。チルドレンがいれば――とは言えない。見方を変えれば、パンドラ側はチルドレンを遠ざけることでバベルの警備体制を脆くしたってこった。いや、大統領の護衛を本気で行うのなら、専用機の護衛戦闘機が落とされたとしても、救出活動はすべきでなかった。別に護衛だけを至上命題としていなかったゆえの判断だとは思うが、つまり自覚的でなかったのだよ。組織としてもそーだし、他でも無い高超度エスパーのチルドレンが、な。
 確度の高い予知を覆すには高超度エスパーが要る。予知された事件事故への通常対応だったら、特務エスパーと現場主任がセットで送られて能力と知恵を絞って対処することになる。バベルという組織では何故かエース級エスパーが若いコたちばかりなので、精神面と臨機応変の対処能力に不安があるため現場主任の判断が光ることが多いようだ。油断せず、予知の事実を見極め、能力を適切に運用するためには、どーやら現場主任が不可欠っぽい。予知を覆すのに超度と最適の選択が必要であるのなら、選択の適切化を図るうえで頭脳面をサポートする人材を面子に加えることは当然の手法だろうさ。
 だが、行為選択の最適化をサポートする現場主任が効果を発揮するのは、主任とエスパーの目的意識が一致しているからだろう。解決のために互いに協力して最適の選択を模索するわけだ。では、破滅エンド対策においては、目的意識が共有されているのか? 皆本・蕾見ではそーだろうさ。でも、チルドレン他には予知が知らされていない。もち、知らせたらどーゆーことになるかを思えば、言えない。ただ、事実だけ捉えれば、目的意識を共有できていないバベル側は高超度エスパーが破滅回避に向けて自覚的に動くことはない。極端な話、チルドレンの一人と皆本だけが事故の予知を知らされて、残りは全く自覚してないままに私服出動してるよなもんだ。
 ……ああ、でも、仮にバベル全体で破滅回避に向けて努力しようにも、手段が何もない。兵部の引き抜き工作は危険性があるから放置できないものの、結局は現在の警備体制以上のことはほぼ出来ないのだ。強いて言えば、お留守番の薫が連れ出されるよな失態を防げる可能性がちょと増えるだけで、それにしたって兵部が動けばムリじゃね?って気がする。チルドレンに悟られずに忠誠心だけを向上させるよな魔法使い級の催眠術者がいれば穏やかに解決へと努力できるが、そんな人材はいないので兵部に干渉されるがまま。うーん、チルドレンを確実に抹殺できるならソレも手だろうけど、下手に失敗すれば離反フラグが確定しそうなので、現実にはあまり堅い手じゃないだろう。
 話を元に戻すと、兵部が皆本にいった「所詮普通人なんて無力だから未来は変えられない」発言は、一面の事実を帯びつつも、実態としては「予知をパンドラという高超度集団が薫の離反およびエスパーの反乱を企図してる所為」って側面が強い。本人が自覚してるかはともかく、客観的事実としては単なる「ジャイアニズム」だよなぁ。同じジャイアンにあたる蕾見に対して戦略家としての優劣を語るならまだしも、同格のプレーヤーですらない皆本に対して言うのは、思慮の浅い自己讃美・他者攻撃じゃないだろうか。ま、当人が皆本氏に複雑な不快感を抱いているので口撃したってだけだ、思慮の程度は問題じゃないよね。
 ただ、破滅エンドに至る作用を考える上では、もっと思考を進めないといけない。これまでの文章で「バベル側VSパンドラ側においては、パンドラ側有利じゃね?」と言った。予知の知り、未来に対して自覚的な行動をしているプレーヤーという観点では、それでいい。でも、要素は他にもある。パッと浮かぶのは3つか。

黒い幽霊
チルドレン(特に薫)
普通の人

 まず、黒い幽霊の作用については作中で全く明かされていないため、話の展開によっては重大な影響を与える可能性がある。が、全くもって可能性の問題だから、語れることはない。ただ、高超度エスパー集団である以上は、何かしらの影響力が発生する可能性はあるし、物語に深みを与える上では関与は少なからず描かれるだろうさ。
 むしろ、書くべきは後ろ2者だ。「予知の通りならチルドレンは離脱、普通人類の敵に回る」と読者視点では思いがちだし、また、当初は普通の人が持つ反エスパー思想も潜在的な火種(の一要因)のように描かれていた。兵部はその火種に火を付けようとしている、と見える。でも、本当にそうか?


●戦端は何か
 作中ではチルドレンの離反ばかりがクルーズアップされてるが、予知未来で起こるのは相当に大規模なエスパーVS普通人類の戦争であるらしい。このエスパー側ってさ、現在のパンドラとその延長線上で加入してくるメンバー+チルドレンくらいは確定に近いだろうけどさ、他にどれだけいるのかね? バベル・黒い幽霊はどーなんの?
 両陣営の面子が少なければ少ないほど、戦端となる要因は小さくて済む。でも、破滅に近しいほどの戦争が起こるのであれば、両陣営の規模はそれなり以上に大きくないといけない。ま、少数精鋭が可能なエスパー側は置いといて、普通人類側は大組織が確実に要るのだ。普通の人が上手く悪感情を煽れば反エスパーの世論が固まって、めぐりめぐって、軍隊まで動くのかなぁ。
 確かにエスパーはさほど多くないらしい。割合は増加傾向にあるようだが、クラスに1人とか、その程度でしょうかね? 現実の疾病などを考えれば、数十人に一人くらいの割合だと偏見は解消されずに伝播していく可能性は、残念ながらあるでしょう。社会不安でもあれば、戦争までに発展しなくても、けっこうな反エスパー世論が形成されたって何ら不思議ではない。
 戦端が開かれる前には、少なくとも陣営のどちらかだけは何かしらの動きがあるもんだ。現実の戦争なら少数の指導層なり国民世論なりが開戦に傾いていって、諸所の兆候があり、準備が始まり、開戦に至る。統治国家みたくトップダウンに意思が反映されやすい国なら予備動作が小さく分り辛いこともあるし、現代先進国のよに権力が分散してる体制であれば兆候は外部にも見えやすく時間がかかる。仮に普通人類側がエスパー側の感情を決定的に害したのであれば、引き金以前にも何かしらの世論傾向や引き締め・その他が見られたはずだ。
 で考えるに、狂信的というか原理主義的で手段を選ばない普通の人は、兆候の一つだと言えるだろう。16巻までの描写を見ても、構成員の一部は確実にエスパーへの殺意を持って行動している。この作品恐らく計算のうえで、シリアス度を抑えてるあるからさほど恐ろしくは感じられないが、色眼鏡を取っ払って見れば、普通の人はエスパーの少女を殺そうとしていたのだ。単に殺害して終わればまだしも、エスパーの家族に害意を向ける可能性だってあるし、現実的な逸脱を想定すれば死体を弄んで動画公開するよなキ○ガイが出てきたって可笑しくはない。キ○ガイは何時の世にもいるけども、その行為が世論誘導の要因になると、話は非常にややこしくなる。普通の人構成員を名乗る人物が、普通人類代表を騙って虐殺の一つでも公開してしまえば、普通人類・エスパーの間に溝を作ることになるかもしれん。そして、これはパンドラ等のエスパー側組織が暴発する引き金になるんだよなぁ。
 現実の人種差別などでも、対立が紛争・戦争レベルまで拡大してしまうことは間々ある。まして、高超度エスパーは、能力にもよるが、ESP対策をしてない歩兵部隊の小・中くらいとは等価に思える。パンドラ・黒い幽霊なら大隊ともやり合えるかもなー。仮に一個大隊程度の戦力だとして、それが強い戦闘意識をもって反乱を起こせば、そして早期に鎮圧できなければ、もう内戦に近いよなー。軍隊なら兵站が関係するけども、エスパーは食料・水・その他くらいしか要らないから、早期に鎮圧できなければ長期戦になるでしょーや。まして、エスパーVS普通人類って構図があると、参加兵力は長引けば長引くほど増えるわな。
 うーん、普通人類側がエスパーの感情を害していけば、すんなり開戦に至るっぽい。でも、気になるのはさ、戦争になればエスパー側の被害だって軽くはないんじゃね?って思うのだ。兵部は普通人類が多少死のうと全く意に介さないのかもしれん。では、エスパーだとどーなんかね? 最終的にエスパーが勝つからオッケーなのか、犠牲は少ないと予想しているのか、薫が死にさえしなければ犠牲が減ると思ってるのか、自分たちが頑張って犠牲を減らすつもりなのか……あるいは、実はいまだに戦中気質なので(以下略。
 個人的な見解を言えば、どれもキャラの格が低いよに思えて仕方がない。エスパーによる人類支配を確立する、あるいはノーマルを根絶するにしても、出来るだけスマートなやり方を狙うのが格の高いキャラってもんでしょーや。いやさ、集団を率いてガチでぶつかるよなキャラ格もありだとは思うが、少佐ってそゆキャラじゃないでしょ? スマートに勝てるようお膳立てしないなんて、知的っぽいキャラだと許せないのだよ。
 作中だとチルドレン、特に薫の争奪戦って側面が強いのだけども、人類エスパー戦争って視点で眺めると、正直関係あんのかねーって疑問が湧いてくる。どっちが勝つか、どれくらいの被害が出るかって戦況面では大いに関係するだろうけども、戦端には関わらないのでは?とすら思えてくる。実現可能性は抜きにすれば、少佐の思想をちょと柔らかくしてもらって、エスパーによる人類支配を緩やかに遂行して貰うのが、大局的な根本解決に至る道だと思う。あれ、人的被害を減らすって観点から言えば、蕾見と皆本はパンドラと結託すべきであって、敵対は避けるべきに思えてくるなぁ。いやさ、バベルにはパンドラを潰せる決定力がないわけだし、普通の人だって根絶は難しい。火種を消しきれないのなら、腹をくくる他ないのではないか。

つまり、チルドレンを国家レベルで女王に仕立てるべきなんだよぉぉ(AAry

 そゆ思考が一切展開されてないのは、口惜しい。でも、まだ先はあるさね。殺されかけた恨み節全開の少佐、色ボケ高齢者の蕾見はともかく、IQ200以上って設定の皆本たんには、是非とも対立の根本を解消すべく頑張って頂きたいものである。


●ただ、いやな展開もありうると思う
 ↑ではノーマル側がエスパー側の感情を害するって展開を軸に思考していたが、逆はどーか。少佐が自分の考える理想的な知的キャラでなければ、死期が近づいたので開戦♪くらいの軽い展開になるかもしれん。あるいは、黒い幽霊との絡みで物語が複雑化するかもしれん。可能性は色々とある。
 たださ、発端をどの勢力にも帰属できない展開もあると思うのだ。例えば、「受精段階で遺伝子検査することにより超能力保持者であるかどーか確実に判定できる技術が確立される」とかな。普通の人からすれば大喜びだろうし、エスパー側からすれば真綿で首を絞められるよな不快感を覚えると思うのだ。少佐のよに恨み節全開でなくても、エスパーとしてのID.を持ってる人なら、エスパーが存在できる尊厳を残すために戦うことを決意するかもしれんで? 特にエスパー同士の絆が対普通人類への感情より強いものであれば、尚更だな。自分は読んでいて、フツーに仲の良い家族がいるコたちが普通人類と敵対するなんて、到底納得できてないのだよね。でも、「未来に生まれうるエスパーたち」くらいに壮大なものが天秤に載ってれば、親・友人・知人と敵対したって納得できなくは、ない。


●で、自分なりにありがちな展開を予想すれば
 薫が幽霊ちゃんとイチャイチャしてると、実は少佐の死期が迫っていた、そんなある日任務の最中に出くわした澪を助けてバベルを飛び出してしまう薫であったが、幽霊ちゃんとやっぱりイチャイチャして、遺伝子検査技術が確立されたからもうエスパーのために戦うしかねーと決意する薫であったが、なんやかんや、やっぱり皆本は薫を撃つのだけども少佐と幽霊ちゃんあたりが出張ってきたお陰で薫は蘇生、最後はチルドレン+その他の面子が命を力に変えて都市を修復&これからの人類は全員エスパーだぜ!とか奇蹟を起こして、10年後くらいの世界でキャシー(&キャロライン)とイチャイチャして暮らす皆本であった。

で、「娘の前でママとイチャついてんじゃねー!!」とか赤毛の娘に超能力でドツかれる、と。視線を向けると、3人娘が微笑んでるわけですよ。


……同じサンデー作品の『ARMS』オチだからパクっても許されるよね?w

 ま、冗談は抜きにしても、3人を同列に扱うのであれば、死なば諸共って可能性が出てくる。薫を頭一つ飛び出した扱いにするのであれば、一人だけ死んでよし、皆本とハピエンに終わってもよし、バリエーションは豊富になる。
 でも、最初から一貫して描かれている「仲間であり、部下上司であり、兄妹のようでもあり、父娘にも近く、また恋人っぽくもある4人関係」を短絡的に昇華するのであれば、↑の終わり方が思い浮かんだ。難点はモロにパクリなので確実に採用されないことと、あと嫌なリビドーを深読みされそうなことか。
 いや、待てよ、変則例として兵部×蕾見の子供として4人が……いや、実年齢80の子作りとか倫理的にダメすぎるか。個人的には好きだけど、商業誌的には有り得ないでしょーや。

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※1
あ、破滅と書くほど最終戦争なのかは確定されてないかも。確定事項として言えることは、どこか大都市がボロボロになるほどの戦いが起こり、パンドラ?の敵(普通人?)が核を使用することだけだ。ただ、ま、兵部さまがワクテカするほどの予知結果らしいので、かなり大規模な戦争だと思うけどなー。破滅って言葉は「破壊の女王」からつい連想してしまった結果でしょうや。面倒なので、修正はしない。

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